〒920-0836 金沢市子来町57
電話 076-252-3319
高野山真言宗 宝泉寺
通称「五本松」(ごほんまつ)
\ 宝泉寺は、ココ! /
もう一つ、宝泉寺の仏像を紹介します。毘沙門天(びしゃもんてん)です。
この寺の仏像は、どなたさまも護摩の薫香で真っ黒ですね。案の定、毘沙門天も真っ黒け!
鎧兜に身をかため、左手に宝塔をささげ、右手に三股戟をとって、足の下には1匹の邪鬼を踏んで立っています。
毘沙門天は、もともと最勝園とか有財城とかいわれるほど、りっぱな国の王様だったそうです。それがのちに仏さまに帰依され、その護衛の役をかって出られたのです。それでいつも仏さまのおそばにいて、お説法を誰よりもたくさん聞かれたので「多聞天(たもんてん)」とも呼ばれています。
お経には、
忍辱(にんにく)の鎧、精進(しょうじん)の甲を着け、三股戟(さんこげき)を持ちて三毒の煩悩を降伏し、三部の諸尊を顕得す
と書いてあります。
「忍辱の鎧」とは、どんなことがあっても耐え忍ぶということです。外からどのような腹の立つ矢が飛んできても、たとえ身体に突き刺さっても、心に深く傷を残したり、我を忘れて怒ったりしない。早くきれいさっぱり抜き去ろうと焦らない、うろたえない。
甘い誘惑にもじっと耐え忍んで、天狗になったり、調子に乗らない。決して正しい道を踏みはずさない決意のあらわれです。
「精進の甲を着ける」とは、あせらず、あわてず、あきらめない努力を毎日続ける。
「三毒の煩悩」とは、むさぼりといかりと迷いの心。それを三股戟という先端が三つに分かれた鉾(ほこ)でもって、三つの毒を打ち破って、清らかな心を取り戻す。
「三部の諸尊を顕得す」の三部とは、仏さまのもつ慈悲の徳(蓮華部)と智慧の徳(金剛部)それら二つを合わせて高めた徳(仏部)。これらすべての徳性をもつことができたら、あなた自身が仏さまだという生き方のことです。
毘沙門天は、こういった生き方、豊かな人生行路の守護神。私たちを正しく見守ってくださる福徳の神。ありがたいですね。
・室町時代
・像高 66.3cm
・寄木造り、玉眼入り
・左手に宝塔をささげ、右手に三股戟をとって、岩座の上に横たわる邪鬼を踏んで立つ
・本堂奥之院安置。不動明王とともに、本尊摩利支天の脇侍をつとめる
*一般公開されていない秘仏だから、「親しみやすさ」ほぼありません。
こうした守護神にまもられて、私たちはおまいりを続けさせてもらってるんですね。毘沙門天が左手にささげ持つ宝塔=私たちの心のよりどころ=宝の泉の寺、宝泉寺です。あなたも、この道場で福徳の神に守られる生き方を身につけてください。さあ、ごいっしょにおまいりしましょう!
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