【秘仏】ほほえみ不動尊|宝泉寺の仏像

不動明王立像および二童子像(部分)宝泉寺

宝泉寺には、お優しいお顔の不動明王がいらしゃいます。

ほほえみ不動尊です。

ふだんめったに、お目にかかれることはありません。

目次

不動明王のいかり

大悲のゆえに内心の

慈悲をかくして怒りつつ

牙をあらわし眉ひそめ

魔をも怖れる形相も

衆生を悪趣に堕せしめじ

悪魔を降伏せしめんと

蓮華面にて微笑せる

御姿なるぞと覚るべし

南無大聖不動尊

まりちゃん

苦しむ私たちを憐れんで、眉をひそめる忿怒の相。それは、わが子を愛するようないつくしみのまなざし。こんなお優しいお不動さまに出会えて、ほんとうに幸せ。
もし誰かが私たちに対してよくないことをしかけてきても、ゼッタイに報復したり、仕返しをはかったりしてはいけない。
それよりむしろ、私たちはその人のために、あるいはその人が実りある豊かな人生を送れるように、心から拝んであげよう。
お不動さまはね、そんなことに気づかせてくださる仏さまなんだ。

そもそも忿怒に二種ありて

青黒暴威可畏なれど

仏は済度の慈悲よりし

凡夫は無明の愚痴よりす

名相縁起似たれども

旨趣は迷悟の違いあり

このゆえに剛強難化をば

特に調伏なしたまう

南無大聖不動尊

まりちゃん

不動明王が怒っているのは、仏さまの慈悲からくるもの。私たちがカッとなるのは自分を見失ったから。同じように見えて、ゼンゼン違う!
だけどね。不動尊は、そんなダメな私たちを見捨てない。
迷いも悟りも、みんなはじめから持っているんだ。だからもっともっと私たちが自分の尊さに気づいて、悟りを求めて強く生きるように、泥だらけになって汗みどろで、私たちの身と心に巣くうトンデモナイほど強いやつらをやっつけるために戦っているんだ。それがお不動さまだよ。
みんなも、負けちゃダメ! 自分にね。

木造 不動明王像 三軀(宝泉寺所蔵)

室町時代

像高77.1cm

一木造り

護摩修行で全身真っ黒。頭頂部に蓮華を彫りだし、巻髪とする。天地眼に上下狗牙。右手に剣を、左手に羂索をとり、火焔光を背に岩上に立つ不動尊。足下に矜羯羅・制多迦の二童子を配す。持物、火焔光背、二童子は後補。

奥院におまつりされている。毘沙門天とともに、本尊摩利支天の脇をかためる。

宝泉寺奥之院の不動明王立像
力強さ
80点
やさしさ
100点
親しみやすさ
(秘仏につき一般公開ございません)1点

*一般公開されていない秘仏だから、「親しみやすさ」ほぼありません。

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金沢 摩利支天 宝泉寺 オンマリシエイソワカ
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