摩利支天のお正月〈年末年始のご案内〉

城下をみまもる観音さま

遊戯観音像(1) 金沢宝泉寺

城下をみまもる観音さま
〈遊戯観音=ゆうぎかんのん〉

「あの観音さまは、どなたですか?」

 

境内で庭掃除をしていると、よく聞かれます。

 

そうです。「遊戯観音=ゆうぎかんのん」様です。

 

観音さまは、33種類にも姿を変えて、「この娑婆(しゃば)世界に遊ぶ」といわれています。ここでいう「遊ぶ」というのは、「遊戯」ともいいます。

 

古来、インドでは、神のはたらきを「遊び」と言い習わす伝統があったようです。「遊び」は、楽しいもので、イヤイヤやるものではありません。心から楽しんでやるものです。またそれは、融通無碍(なにものにもとらわれない自由な境地)のはたらきでもあります。

 

すなわち観音さまは、私たちのために心から喜んで遊び戯れるように、私たちを救い助けるというはたらきを示して下さっているのです。

 

宝泉寺の高台に鎮座まします観音さまは、リラックスしたお姿で、今日も百万石の城下町(金沢)をみまもっておられます。

 

遊戯観音像 金沢宝泉寺

遊戯観音像(全体) 金沢宝泉寺

いつも忙しくて、自分のなすべきことで頭がいっぱいだったら、他者を助けるどころではありません。そうではなくて観音さまは、いつも気持ちにゆとりがあって、その時々の場面や状況の応じて、適切な救済を私たちに施してくださるのです。柔軟で融通無碍なリラックスされたお姿がそれをよくあらわしています。

この観音さまは、ほぼ等身大で、観音さまが座る雲や台座を含めると、4メートルを超す大きな石像です。右手でそっとカラダを支え、左手を腿に下ろし、右足を垂れ下して雲の上に座って、城下をみまもっておられます。その姿は、天明三(1783)年に刊行された『仏像図彙(ぶつぞうずい)』におさめられている「遊戯観音(ゆうぎかんのん)」の図像と似かよっていました。

石に刻まれた観音さまを仰ぎみますと、向かって左側からみるお顔は歌舞伎役者のように凛々しく、正面のお顔は青年のように若々しく、向かって右側のお顔は王女さまのような気品に満ちています。

その日の天候や、仰ぎるみた人の心情、立ち位置によって、観音さまは実にさまざまな表情をみせてくださいます。まさに33種類に姿を変えてこの世に遊ばれる観音さまのお姿そのものです。

まりちゃん

観音さまの前にたたずんで、美しいお顔を拝していると、次第に心が落ち着いて、及ばずながら、観音さまの無礙自在の境地に近づけたような気がしてくるから、不思議です。

観音さまのお顔

遊戯観音像(1) 金沢宝泉寺

遊戯観音像 (1)

遊戯観音像(2) 金沢宝泉寺

遊戯観音像(2)

遊戯観音像(3) 金沢宝泉寺

遊戯観音像(3)

そして、ふと後ろをふりかえると、金沢市街を一望するパノラマが拡がっています。

宝泉寺からの眺望

宝泉寺からの眺望

まりちゃん

ドーンと拡がる景色をみていると、もやもやとした気持ちが吹き飛んでしまいます。こんなパワースポット、またとありません。多くの外国人が当山を訪れ、市街をみまもる観音さまの足下の芝生に座って冥想される姿をよく見かけます。それもまた、大いにうなづけるところです。南無観世音菩薩 オンマニペメフン

オンマリシエイソワカ