毎月1日は、摩利支天のご縁日。午前11時から護摩と法話があります。

神々への供養 1(世天)

世天(神々への供養 1)

世天(神々への供養 1)

護摩供の第5ステージが、「世天段(せてんだん)」です。

護摩を種々の段数にわけて修法するなか、仏教の守護神を勧請(神仏の来臨を請うこと)して供養する一段。それが世天段です。

世天は、本尊と同体であり、その等流身(とうるしん=分身)であると考えます。現在の護摩法に世天への供養を行うのは、天はよく国土・行者・仏法を護り、私たちの災いと幸せをつかさどっているとされ、天を供養することで災いを除いて福を増すためです。

今は、護摩法の願うところを成就するために、とくにこの法を5段目に加えて修法しています。

私は、世天段において四臂不動明王(しひふどうみょうおう=腕が4本ある不動尊)を中心に、十二天(じゅうにてん)・七曜(しちよう)・二十八宿(にじゅうはっしゅく)を勧請して供養しています。

世天段十二天七曜廿八宿勧請図

世天段十二天七曜廿八宿勧請図

四臂不動明王

四臂不動明王(「別尊雑記」第三十二)

四臂不動明王(「別尊雑記」第32)

世天段のはじめに、不動尊を供養するのは、四臂(しひ)不動明王が世天を総括しているからです。

不動明王は右手に利剣、左手に羂索という通例の形に加えて、2本の腕を口の両辺においています。牙による悪に対する威嚇をあらわしています。

十二天

次に世天段で、十二天を供養します。

伊舎那天(いしゃなてん)・帝釈天(たいしゃくてん)・火天(かてん)・焔魔天(えんまてん)・羅刹天(らさつてん)・水天(すいてん)

風天(ふうてん)・多聞天(たもんてん)・梵天(ぼんてん)・地天(じてん)・日天(にってん)・月天(がってん)

これら十二天は、それぞれもとはインド神話の戦いの神で、仏教にとりこまれてのち、守護天となったものです。密教においては方位の神々です。

また「天」とは、この場合、天空のことではなく神々そのものをいいます。四方四維の八方〈東・南・西・北・北東・東南・南西・西北〉、および上下二方〈天・地〉の守護神に、日月〈太陽・月〉の二神を加えた十二の神々を一具(1セット)とします。

各天の守護方位とかんたんな説明は、下記のとおり。

伊舎那天北東シヴァ神もしくはルドラの変化神。風のすさまじい恐ろしさを神格化した天。諸魔衆。
帝 釈 天インドラ。古くヴェーダ神話に活躍する神。作物の育成に恵みを与えるという。スメール等の山に住む天鬼等。
火 天南東アグニ。ヴェーダ神話の神。バラモン教での崇拝も厚い火の神。持明神仙衆。
焔 魔 天ヤマ。ヴェーダ神話の神。死の象徴とされたが、やがて冥界の王となる。五道冥官、疫病神、餓鬼。
羅 刹 天南西ニリチ。暴悪な肉を食う鬼神。破壊と滅亡をつかさどるという。諸羅刹、食血鬼衆。
水 天西バロナ。古くは天地を保ち、神人両界を知るつくすバラモン教の神。のちに、河川や湖沼の神となる。竜を統率するという。
風 天西北
ヴァーユ。人に福徳や長寿を与えるという。諸の風神、無形流行神。
毘沙門天クべラ。ヴェーダ時代から古い神で、夜叉鬼神の主とされ、財宝福徳をつかさどるという。諸薬叉、食鬼神。
梵 天ブラフマン。バラモン教において一切万有の根源、宇宙の創造神として崇拝される神。色界静慮、一切諸天。
地 天ピリチビ。万物を育成させる大地の神。地上、樹下、野沙の諸神
日 天アニチヤ。太陽神スールヤの別称。創造力をつかさどるという。星衆、七曜諸執等。
月 天チャンドラ。月や光明をいあらわし、バラモン教では諸徳を神格した神という。二十八宿、十二宮、一切衆生(星座)。

七 曜

七曜は、の七曜。太陽系の遊星です。

日 曜スーリヤ。太陽を神格化した尊。
月 曜ソーマ。月。
火 曜アンガーラカ。熒惑、罰星と呼ばれる。
水 曜ブダ。水星。
木 曜ブリハスパティ大主、歳星ともいう。
金 曜シュクラ。金星。太白、長庚ともいう。
土 曜シャナイシュチャラ。土星。

二十八宿

月の満ち欠けに着目し、新月から満月を経て、新月に至る1ヵ月の間に月がどのように進行してゆくのか、天空に定点を打ったのが二十八宿です。

この定点の近くにあまたの星の中から恒星をさがしだして、それを星宿(月の宿る宿とし、月の軌道(白道=はくどう)上に順次星宿をおいていったもの、それが二十八宿です。

昴(ぼう)宿おうし座のプレアデス(スバル)。
畢(ひつ)宿おうし座のアルデバランを含む。
觜(し)宿オリオン座の中にある。
参(しん)宿オリオン座とほとんど一致する。
井(せい)宿ふたご座とほとんど一致。
鬼(き)宿かに座にある。
柳(りゅう)宿うみへび座の中にある。
星(せい)宿うみへび座のα星を含む。
張(ちょう)宿うみへび座の中にある。
翼(よく)宿うみへび座の中にある。
軫(しん)宿とり座と一致する。
角(かく)宿おとめ座のスピカ。
亢(こう)宿おとめ座の中にある。
氐(てい)宿てんびん座とほとんど一致。
房(ぼう)宿さそり座の頭の部分。
心(しん)宿さそり座のアンタレスを含む。
尾(び)宿さそり座の尾の部分。
箕(き)宿いて座の初めの部分。
斗(と)宿いて座とほとんど同じ。
牛(ぎゅう)宿やぎ座のβ星を含む。
女(にょ)宿みずがめ座の中にある。
虚(きょ)宿みずがめ座のβ星を含む。
危(き)宿みずがめ座のα星を含む。
室(しつ)宿ペガサス座の並行四辺形。
壁(へき)宿ペガサス座の並行四辺形。
奎(けい)宿アンドロメダ座。
婁(ろう)宿おうし座のα星を含む。
胃(い)宿おうし座の中にある。
まとめ
行者をとりまく環境の供養と感謝。それが護摩の第5ステージ「世天段」です。イメージをどんどんふくらませて、護摩の三昧に入ります。
世天の真言については、 よく使われる真言 をご参照ください。

オンマリシエイソワカ